当麻寺と二月堂(奈良旅5日目)

西ノ京で薬師寺の塔を眺め、斑鳩の里で聖徳太子ゆかりの、法起寺と法輪寺の三重塔を眺める。
今回いったいいくつの塔を眺めただろう。天守閣といい塔といい、漢は高くそびえるものが大好きなんだ。

當麻寺、聖徳太子の異母弟の建立ということだが、法隆寺と違いこちらの知名度はいまいち。
しかしいろいろ調べてみると、ずいぶん面白い経緯を経て今に至るとのこと。俄然興味がわいてきた。
行ってみると二上山の山麓に広がる巨大寺院だった。国宝や重文もたくさん、なぜ知名度が低いか不思議。
バイクで一番奥まで行ったので、奥の院から散策開始。紅葉の名所と言われた浄土庭園の紅葉は既に終わり、庭師の方が手入れ中。正直かなり残念な状態。失敗したかな・・と、本院のほうへ向かう。
途中ちょっと気になって、本院の前に西南院をのぞいたら、こちらの庭が見事なこと。もちろん塔頭のお庭だから規模は小さいが、美しい緑の苔に覆われたお庭に、池を配置し西塔を借景とする。個人的には奥の院の浄土庭園などより、よほどこちらが好み。おまけに人気もほとんどない。
庭が気に入ってしまったので、書院で抹茶をいただきながら庭を眺めた。完全貸し切り状態、いいお庭でした。
當麻寺、本尊が曼荼羅というちょっと変わったお寺。もともとは金堂にある巨大な弥勒仏が本尊だったとのこと。そしてここにある四天王像、どこか異国を感じる造形かと思ったら、なんでも白鳳時代の仏像はすべて渡来人たちの手によるものだとか。この時代まだ仏像を内製できなかったとのことで納得。
あと中の坊のお庭も拝観。なんやかんやで2000円以上使ってしまった。まあそれだけ見どころ満載だったので、十分満足だったのだけど。ということで時間を使いすぎて、橿原市今井町での古民家カフェ活は取りやめ、残念。

東大寺のそぐそばに宿泊しているのに、東大寺に行かないのはさすがにまずい。
日暮れ時、當麻寺から帰って東大寺から二月堂あたりを散策。
二月堂に登った時、ちょうどきれいな夕焼けが見えた。夕焼けは万国共通なようで、いろいろな国の人が夕日を眺めて感動している。お坊様の「これだけの夕日はなかなか眺められないですよ」の会話を小耳にはさんだので、きれいだったことは折り紙付き。
旅のおわり、生駒に沈む夕日で、古の奈良の都を想う。

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