紀伊・伊勢の旅総括

YAMAHA FZ1 FAZER GT で約1800km走行。
どうも不人気車らしく、1000cc クラスの中ではかなり安価。
地味な外観、穏やかなエンジン特性、楽なポジションはロングツーリングには最適なのにねえ。とはいえ1000ccだから、抑え気味に走っても、かなり速いけど。
今回の荷物は25L程度のザックとウエストバック。基本着替えとカメラだけど、これくらいの荷物の量で全然問題ない。洗濯すれば一ヵ月でもこの量で変わらないだろう。
やはり山のように荷物を積むと、ライティングも楽しくないから、荷物の軽量化は大事。
今回は実家に2泊、その後痛めていた腰の具合がどうなるかわからなかったから、宿の予約はネットで1日か2日前のいきあたりばったり。
以前はビジネスホテルが多かったが、今は格安のゲストハウスや宿がメイン。料金が安くても、口コミや評価が高ければ、かなり気持ちよく泊まれる。特に今回利用したゲストハウスと格安旅館は、関西、松本のいい拠点としてまた利用したい。
オヤジのソロツーリングには、これくらいの宿がピッタリ。

伊勢神宮(外宮)、熊野那智大社、熊野本宮大社、高野山金剛峯寺、橘寺、橿原宮、長谷寺とかねてからの懸案をまとめて解消、古寺大社巡礼。
■ガソリン代 単価 数量 価格
11月10日 埼玉県北本市 158 11.21 1749
11月10日 静岡県富士宮市 168 10.07 1692
11月12日 静岡県浜松市 165 10.95 1806
11月12日 三重県志摩市 165 11.8 1947
11月14日 三重県熊野市 153 10.98 1680
11月14日 和歌山県白浜町 165 10.17 1678
11月15日 奈良県橿原市 159 11.75 1868
11月16日 岐阜県多治見市 174 10.73 1867
11月17日 長野県松本市 171 10.23 1749
合計 16036円

■高速(軽自動車)、有料道路、フェリー代
11月10日 川島 – 日の出 950
11月10日 新富士 – 菊川 1900
11月12日 伊勢湾フェリー 4300
11月12日 伊勢志摩スカイライン 900
11月14日 南紀田辺 – 和歌山 1750
11月16日 亀山 – 中津川 4130
11月17日 軽井沢 – 花園 1790
合計 15720円

■宿泊費(10,11日は実家宿泊)
11月12日 賢島ホテルベイガーデン 5200
11月13日 賢島ホテルベイガーデン 5200
11月14日 TUKIJI HOSTEL Wakayama 2500 (特別割引)
11月15日 大和八木ゲストハウス 3900
11月16日 旅館松風 3000
合計 19800円

■入場料、拝観料11月10日 いやしの里 350
11月13日 せんぐう館 300
11月13日 神宮博物館 700
11月13日 伊勢河崎商人館 350
11月14日 那智の滝 300
11月15日 金剛峯寺共通内拝券 2500
11月15日 高野山霊宝館 1300
11月15日 橘寺 350
11月16日 長谷寺特別拝観券 1700
合計 7850円

食費を除く合計 59406円
平均燃費 18.4 km/l

伊勢・紀伊の旅(7日目)

せっかく今井町に宿泊したのだから、朝一の散歩でもう一度町内を散策。
それにしても広大な領域に、古い街並みがぎっしり並ぶ。
早朝なので、静かな街並み散歩だった。

一旦宿に帰って、出発準備。
宿をあとにして、長谷寺に向かうのだが、その前に橿原神宮に立ち寄り。
長い参道のあと、広い境内に、美しい拝殿、回廊などが立ち並ぶ。
残念ながら、先を急ぐので駆け足で参拝。

話には聞いていたけど、実物は想像をはるかに超えていた。
長谷寺、素晴らしい伽藍と紅葉の共演。どこを向いても、絵になる風景。
特別拝観(1700円)とかで、巨大な長谷観音の足を触って願い事。
坂だらけの伽藍を登ったりくだったりして、写真撮りまくり。

参拝のあとは、門前町で山菜蕎麦と柿の葉寿司をいただいた。関西風のお出汁の蕎麦。関東風より好きかも。

奈良から一気に自宅に帰るのは、ちょっとしんどい。ということで、松本にもう一泊。
日が暮れてから、急激に気温低下、最後は5℃、流石に厳しかった。
こんな時はお汁粉缶に手が出る。
今夜はゲストハウスではないけど、素泊まり専門の格安宿。中は綺麗で快適、ソロツーリングに利用するには充分。寒かったので、あまり出歩く気はせず、一番近い食堂で夕食。昔ながらの食堂で、ロースカツ定食。まあ、こんなものだろう。

伊勢・紀伊の旅(6日目)

恥ずかしながら、この歳で初高野山。
空海は好きで、関連書籍やら関連寺院には行ってるのに、総本山がまだでした。
ほんと山上にある、仏教都市、不思議な空間。5箇所観れるチケット2500円と霊宝館高野山の至宝の1300円て、たっぷり高野山を堪能。
金剛峯寺の石庭は、素晴らしかったし、至宝展では、大好きな運慶、快慶の躍動感ある仏像を鑑賞することができた。紅葉は少し盛りを過ぎていたけど、充分仏教世界を堪能させていただきました。奥の院は、次回宿坊に泊まり、ゆっくり拝観しようと思う。

まずは金剛峯寺から。
建物内部も素晴らしかったが、特にこの日本国内最大の石庭という蟠龍庭の素晴らしいこと。
いつまでも眺めていたい庭園。

金剛峯寺から徳川家霊廟に向かう。
どこを向いても趣ある寺院だらけ、これだけ寺院の密集した地域は他では見たことない。
そんな寺院の庭は何処も素晴らしそうだが、非公開らしく見ることができないのが残念。

高野山の中心、壇上伽藍へ。
巨大な根本大塔、内部の立体曼荼羅が迫力満点。

最後は高野山霊宝館。
ちょうど 運慶、快慶 の仏像展示企画に遭遇。
素晴らしい仏像を堪能、帰宅後は 運慶、快慶の本を購入してお勉強。

高野山をあとにして、橿原の宿に向かう。
途中明日香の橘寺で小休止。いつも奈良に来ると、この辺をうろうろして、古代飛鳥に思いをはせる。
いつも見ている橘寺、聖徳太子の生誕地だとか。拝観するのは初めて、このあたりでまったり日暮れを迎える。

今宵の宿は橿原市にある、古民家ゲストハウス。あたりも古民家だらけで、なかなかの風情。中はリフォームされて明るく快適。
夕食は、歩いて5分くらいのところにある、お好み焼き店。
はしで突くと、ほろほろと崩れるくらい、ふわやわらい。ちょっと関西風とも違うかも。
まあ美味しければ何でも良い、ビールで1人乾杯。
ほろ酔い気分で、夜の今井町をふらふら。およそ10年ぶりくらい。お洒落なカフェなども、たくさんできたようだが、味わう時間は無さそう、残念。

ゲストハウスに泊まってバイクツーリングしよう

北海道ではテント泊+バイクツーリングの楽しみを満喫したけど、先日の奈良の旅では古民家ゲストハウス+バイクツーリングを満喫。
どちらのスタイルも、バイクで旅をさらに楽しいものにしてくれる。これからはこの両方のスタイルで、日本中を旅しようと思う。
ゲストハウスの基本スタイルは、個室ではなく2段ベッドの共同部屋。ただ奈良ではパソコンなどの荷物を置いて連泊のため個室を確保。岩村では女性を含む8人部屋だった。
一泊するだけなら、共同部屋でも何の問題もない。まあ共同部屋は山小屋で馴れている。ベッドをカーテンで仕切れるから、プライベート空間もしっかり確保できる。
今回は、観光地ということで、海外のバックパーカーなど旅のスタイルが違うから、話すのはあいさつ程度。それでも全然かまわないし、ライダーがいたら間違いなく話していただろう。
今回のゲストハウスは、岩村、奈良ともに古民家だったから、ノスタルジックな旅もさらに充実した。旅先の訪問先でも宿でも、古風な空間の連続。これでいつものビジネスホテルに泊まったら、こんなに旅の雰囲気を満喫できることはなかっただろう。
今回はどちらも一泊4000円弱、5泊して20000円弱、バイクもほとんど下道使って高速料金は全部で3000円弱。バイクの燃費は30km/l、1200km走って、140/l円でガソリン代は5600円。これはセミリタイヤのおやじには、やめられない道楽だ。

奈良から自宅まで(奈良旅6日目)

4日間お世話になったゲストハウスを朝6時に出発。
奈良から伊賀を越えて四日市インターまで下道を走る。
この朝は冷え込んだから寒いので、休み休み、ペースがあがらない。
本当は全行程下道を行きたいところだが、さすがに名古屋周辺はめんどくさそうだから、四日市から豊明までは、高速道路を利用。
豊明を降りたら、大渋滞か・・・と思ったが、国道1号沿いはすぐに渋滞は解消。その後は結構快適なペースで、道の駅潮見坂まで来た。ここで昼食休憩。
ここからが長い長い静岡県横断200kmあまり、国道1号沿いを走って愛鷹山の北を回り込み山中湖へ。本当にここまで長かった。
ここまでくれば、あと100kmちょっと。とナビに従って道志みちに入ったら、途中で通行止め。最後に山の中の暗い道をグルグル迂回して、なんとか八王子に出た。途中夕飯をとり、しばし休憩したのち9時ちょっと前無事帰宅。
奈良を巡った6日間の旅が終わった。 行きも帰りもほぼ下道、片道550km。
冬のバイクロングツーリング、もっと厳しいかと思ったが、なかなか楽しい旅だった。

当麻寺と二月堂(奈良旅5日目)

西ノ京で薬師寺の塔を眺め、斑鳩の里で聖徳太子ゆかりの、法起寺と法輪寺の三重塔を眺める。
今回いったいいくつの塔を眺めただろう。天守閣といい塔といい、漢は高くそびえるものが大好きなんだ。

當麻寺、聖徳太子の異母弟の建立ということだが、法隆寺と違いこちらの知名度はいまいち。
しかしいろいろ調べてみると、ずいぶん面白い経緯を経て今に至るとのこと。俄然興味がわいてきた。
行ってみると二上山の山麓に広がる巨大寺院だった。国宝や重文もたくさん、なぜ知名度が低いか不思議。
バイクで一番奥まで行ったので、奥の院から散策開始。紅葉の名所と言われた浄土庭園の紅葉は既に終わり、庭師の方が手入れ中。正直かなり残念な状態。失敗したかな・・と、本院のほうへ向かう。
途中ちょっと気になって、本院の前に西南院をのぞいたら、こちらの庭が見事なこと。もちろん塔頭のお庭だから規模は小さいが、美しい緑の苔に覆われたお庭に、池を配置し西塔を借景とする。個人的には奥の院の浄土庭園などより、よほどこちらが好み。おまけに人気もほとんどない。
庭が気に入ってしまったので、書院で抹茶をいただきながら庭を眺めた。完全貸し切り状態、いいお庭でした。
當麻寺、本尊が曼荼羅というちょっと変わったお寺。もともとは金堂にある巨大な弥勒仏が本尊だったとのこと。そしてここにある四天王像、どこか異国を感じる造形かと思ったら、なんでも白鳳時代の仏像はすべて渡来人たちの手によるものだとか。この時代まだ仏像を内製できなかったとのことで納得。
あと中の坊のお庭も拝観。なんやかんやで2000円以上使ってしまった。まあそれだけ見どころ満載だったので、十分満足だったのだけど。ということで時間を使いすぎて、橿原市今井町での古民家カフェ活は取りやめ、残念。

東大寺のそぐそばに宿泊しているのに、東大寺に行かないのはさすがにまずい。
日暮れ時、當麻寺から帰って東大寺から二月堂あたりを散策。
二月堂に登った時、ちょうどきれいな夕焼けが見えた。夕焼けは万国共通なようで、いろいろな国の人が夕日を眺めて感動している。お坊様の「これだけの夕日はなかなか眺められないですよ」の会話を小耳にはさんだので、きれいだったことは折り紙付き。
旅のおわり、生駒に沈む夕日で、古の奈良の都を想う。

宇陀から明日香へ(奈良旅4日目)

紅葉が過ぎたって、平日だからって、寒いからって、国宝重文がたくさんある室生寺が、こんな空いているとは思ってもみなかった。
確かに紅葉はもう終わって、茶色な境内だけどそれはそれなりに枯れた美しさがある渋いお寺。ピンと冷えた空気が、山深いお寺の霊気を感じる。
国宝の金堂、五重塔も見れたし個人的には満足だけど、金堂にある国宝重文の仏像をもう少し近くで観たかった。

憧れの地、古い家並みが軒を連ねる宇陀の郷。
古民家でいただく、ヘルシーなご飯プレート。
手間のかかった野菜の数々。自然ゆっくり噛んで、味わう幸せ。
こどもの頃、暖かい石油ストーブの部屋を思い出す。ゆるいピアノの曲も、カフェの雰囲気にピッタリ。ゆるいゆるい時間が流れていく。

多武峰の山中にある談山神社。中臣鎌足公を祀る由緒ある宮。
そして何と言っても、木造建築では唯一の十三重の塔。
紅葉は終わっていても、この塔を見るだけでも来た甲斐はあったというものだ。それにしても美しい塔でした。

宇陀から談山神社を経由して明日香に出た。せっかくなので明日香らしい景観を求めてうろうろ。
たまたま目に入った、巨大な伽藍の跡に建つ小さな川原寺にふらりと寄ってみる。
そして三番目に古いという、十二神将像を拝観。昨日一番古い十二神将を見たばかり。その素晴らしい造形に心打たれたのだが、こちらはなんとも素朴な造形で、全身すすで真っ黒。こちらは平安期、弘法大師のいたころだというのに、なんとも奇妙な印象だった。
飛鳥時代に建立された、巨大伽藍をもつ川原寺。夕暮れ迫る明日香の地で、日本のふるさとを偲ぶ。

雨の奈良町散策(奈良旅3日目)

雨の奈良町あたりを徘徊。漬物屋さんがあったから、ベタな食事だけど漬物御前を頂く。
漬物好きだけど、まさか漬物だけで満足するとは。がっつりご飯おかわりいけました。

奈良町から元興寺へ。
途中無料開放している町家を見学。
月曜日の雨ということもあり、人出は少なめ。
元興寺では、最悪観光バスが停まっていると思ったけど、それは杞憂。観光客らしき団体は見かけず。寺内はひっそりと静まり返り、4,5人の人影を見るだけ。
国宝の極楽堂(本堂)では、堂内にたった一人というぜいたく。しばらく心を静めて一人仏さまと向き合ってました。
それにしても心おちつくなあ。

奈良に来たら阿修羅像もいいけど、やはり新薬師寺の十二神将。七年ぶりの対面。
先客が本堂にいたけど、やがて去って本堂にただ一人の贅沢をここでも味わう。
とても1200年前に製作されたとは思えない、躍動感と表情豊かな表現。しばし天平の都に思いをはせる。
予想に反して境内の楓、雨に濡れて美しく艶めき、なかなかの見ごたえ。
奈良町から新薬師寺と、雨の散歩もなかなかいいものだ。

新薬師寺のかえり、格子窓の味わい深い古民家カフェにふらりとお邪魔。
中もレトロで落ち着く。セットでケーキでもと聞きなれないメニューを適当に頼んだら、アイスクリームだった。美味しいから、まあいいけど。
珈琲は中炒りのちょっと苦め、丁寧に淹れたドリップは好みの味。
それにしても静かな静かな町並み散策。中心エリアをちょっと離れれば、ほんと静かで寂しいくらい。これって雨の月曜日だから?
路地裏には気になるカフェがそこかしこに。京都ほど敷居が高くなさそうなのがまた良さげ。